足の太陽膀胱経の授業でした
先日盲学校の授業見学に行ってきました。
これは筑波大学附属盲学校と記憶工学研究所の共同研究として、国家試験に対応できるような補助教材作りのための一環です。
イメージを使う記憶術が目の不自由な人にも使えるのか?使えたらすごいねというところからスタートしたプロジェクトです。
教材作成にあたって、どうやって目の不自由な方があの難解な経絡経穴を覚えているのか、まずは見てみたいと思いました。
授業見学をお願いしたら快く対応してくださり、特別にお邪魔してきました。
私たちは普段五感を通して情報をキャッチしていますが、視覚を使えないとなると、嗅覚、聴覚、触覚、味覚の四感となるわけです。耳が頼りのせいかみなさん本当に声が美しく、聞き取りやすい発声をされます。
そして先生の授業も言葉だけで教室内の様子や状況の説明をされていたのでとても勉強になりました。
私たちが普段の講座で普通に使っていること、例えば目線を合わせたり、ジェスチャーを使ったりというようなノンバーバルコミュニケーションは意味をなしません。
その状態で授業をされ、授業を受け、国家資格に合格していくのですから本当にすごいです。
おそらく視覚が遮られている分、健常者と言われる私たちよりも空間認識能力などは発達しているような気がするし、耳からの情報を捉える能力も優れている可能性があるかも・・そしてそもそも記憶力が良いかもしれないそんな気がして、いろいろお話を伺ってきました。
そして私も目を閉じて授業を受けてみました。
いかに目に頼っているか痛感します。
経絡経穴人形に名前はあるのか?
触覚を使って経絡経穴の場所覚える経絡人形です。名前はないのですか?とお聞きすると、学年によって「けいちゃん」「みーちゃん」とかつけたりしているとのこと。
実際触らせてもらってきました。これがあると覚えやすいですね。
健常者の方も鍼灸の学校などで使われているかもしれませんね。
空間移動は音が頼りです
経絡人形の場所は音で示します。壁を叩いてここに置きますよとかそんな感じ。
その音がどの辺で聞こえるかで生徒さんたちは移動されます。
授業が終わった後は記憶工学研究所の池田所長から記憶に関する講義があり、たくさんの質問も受けて和気藹々とした時間が流れました。
生徒さんの今後の学習に少しでも役に立つといいなと思いました。
終わった後の記念写真です。
記念撮影みなさんいい笑顔です。喜んでもらえたかな?
現在記憶工学研究所で作成した動画教材を鍼灸科の学生さん全員に使ってもらってフィードバックをいただいているところです。
どんなものか?良い効果は出るのか?と一抹の不安もありましたが、面白いし聞きやすいので経絡経穴が好きになりましたと言ってもらえました。
この感想はとても嬉しかったです。
さらに複雑な情報をどのようにインプットしていくのがよいか考えていくことになるのですが、少しでもお役に立つものができるといいなと思っています。
そして私も新たな言葉を覚えました。
「ぜんはっさい」です。なんのことかわかりますか?漢字で書けばわかるかな?
「前髪際」前髪の生え際のことをこう呼ぶんだって知らなかった・・・そしてそこから1寸だの3寸だの寸で数えて場所をとるのです。感覚的に寸がわからなくてそれだけでも難しい〜と感じてしまいます。
使っている記憶術について
今回ご提供した教材は記憶法のいくつかの技術を組み合わせて作成してあります。
音だけで覚えてもらうことも可能ですが、目の見える方はスライドもありますのでより簡単に覚えられると思います。
もしも周りで鍼灸の勉強をしている方がいらしたらきっと助けになると思いますので、その方々に情報が届くことを祈っています。
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